2023.01.07
チェロ・黒川真洋さん(2022年10月~12月)
チェロ・黒川真洋さん(使用楽器Cat.no.33 ロレンツォ・マルキ 1983年製)の第2回活動リポートです。
活動報告:
9月末に日本からカールスルーエに帰って、すぐに新しい冬学期が始まりました。
すぐにレッスンも始まったので初めて教授にロレンツォマルキを見ていただいたとき、私がまだ楽器の特徴を掴めていないことや発音の立ち上がりが気になると指摘されたのでドイツの工房にみてもらいました。駒などを主に調整してもらいましたが、まだまだ自分がチェロと仲良くなる必要性を感じました。
9月~10月では教会での仕事やオペラのプロジェクトが始まったり、学校の室内楽も4グループ持っているのでリハーサルなどで忙しい日々を過ごすこととなりました。
オペラプロジェクトではドイツではよく演奏されるオペラ、「ヘンゼルとグレーテル」でトップサイドに座ることとなり、私にとって、カールスルーエで初めての大きな演奏会でした。
(チェロセクションメンバーとの写真)
とても可愛らしいメロディの多い作品であるのに、弾くことに精一杯になってしまうほど難しく、オーケストラがまとまるのに多くの時間が費やされましたが、留学先でこうして素晴らしい作品のプロジェクトに関わることができたのはよい機会でした。
この期間中のレッスンで、教授の前で音階を弾いた時に、当初は少し否定的だった教授が「少しずつ楽器の特徴を掴めてきたね」と褒めてくださり、それは嬉しかったです。
音出しの時間を今までより長くして、音階やロングトーンの練習を徹底しました。またエチュードでも楽器の弱点を多く見つけることができました。それらの練習方法が良かったのかもしれませ
ん。
その後休む間もなく再び教会での演奏の仕事や多くの室内楽のレッスンを受けながら12月には学校の室内オーケストラにて、Beethovenの弦楽四重奏曲を弦楽合奏で演奏しました。
Op.95のSeriosoとOp.131はどちらも彼のユーモアがたくさん詰まった2曲です。ベートーベンの後期の弦楽四重奏を全楽章取り組むのは初めてで、あまりにも完璧で美しすぎる譜面に思わず
圧倒されてしまいました。
2023年はチェロの弦も色々試行錯誤していきたいです。
そしてこの先自分がどの環境に身を置けるのか、そろそろ考えていかなければならないので、挑戦の年として自分を奮い立たせていきます。
(教会での演奏会の様子)
(室内オーケストラの様子)
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黒川真洋