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チェロ・黒川真洋さん(2023年4月~6月)

チェロ・黒川真洋さん(2023年4月~6月)

チェロ・黒川真洋さん(使用楽器Cat.no.33 ロレンツォ・マルキ 1983年製)の活動リポートです。


活動報告:
4月には室内楽のコンサートとリサイタル試験がありました。
最初の学期から一緒に室内楽を共にしてきたピアニストと、私がここに来て一番に声をかけたViolist、そして技術も音楽性も大尊敬しているViolinistでBrahmsのピアノ四重奏をメインとしたラウンジでのコンサートがありました。
これまで多くの室内楽を日本で勉強して来ましたが、こちらに来て最初にぶつかったのはドイツ語という大きな壁でした。ドイツ人ではなくてもネイティブレベルで話す彼らとは、最初の学期では上手く話すことができませんでした。もちろんまだ伝えきれないことはあるものの、リハーサル中は少しの会話で十分で、それぞれが演奏で意思疎通でき、最後の学期でいいメンバーと演奏できてとても有意義でした。彼らはいつも何かに挑戦していて、素晴らしい人間性と音楽性で私に刺激をくれるのでとても大好きです。それぞれソロの演奏の曲間で、その作曲者の書いた手紙を読む企画だったのですが、作曲者はたまにロマンチックだったり、はたまた今の私たちには理解できないジョークを書いてみたり、私もこのコンサートでその作曲家の人柄に触れられた気がして凄くいいコンサートでした。
演奏会も大盛況に終わり、これから違う場所で活動していく私たちですが、いつかまたこのコンサートを思い出して彼らにもまた会いたいなと思います。
     

そしてその後にはマスターを修了するために必修のリサイタル試験がありました。
曲は、Bach,Beethoven,Brahmsというドイツ3大作曲家の作品をメインにプログラムを作りました。試験の数日前からとても緊張しており、周りの友人たちに助けてもらいながら当日を迎えました。教授とは初め、ドイツ語で会話をすることも難しく、厳しい言葉をたくさん受けましたがこの日は一番に大きな拍手をしてくれ、笑顔で「よく頑張ったね」と褒めてくださりました。
また、先輩や友人までみんなが集まってくれて、とっても心強かったです。

5月以降は自分に集中する期間となりました。
今後の自分の進路などを決めることを教授や友人たちと相談する機会が増え、今までは室内楽などで人と関わる時間が多かったのですが、朝から夜まで毎日、自分の練習に集中ができたのはここに来て初めてでした。小さい課題もあり、どれくらいの期間で仕上げられるかわからない大きな課題まで、自分が気づく範囲でも多く、この課題を今後の進路とともに乗り越えられるかどうか、そこが個人的にも楽しみです。

色んなドイツの土地にもいく機会が増えて、いつもカールスルーエにいたので、他の町の雰囲気もたくさん味わった5、6月でした。

うちの学校のバイオリンの教授が3月に亡くなられました。彼が企画をしていたサプライズコンサートが6月にあったのですが、私もブラームスの弦楽六重奏を演奏させていただける運びとなり、メンバーは偶然にも全員アジア人(日・韓・中)で、家族のようにあったかく尊敬のできるメンバーとこの学校で最後に室内楽の演奏会に出られたことを非常に幸せに思います。その後のご飯会も、ここに来て一番楽しい時間でした。

(ケルン大聖堂とベルリンのWaldbühne)
 


【プロフィールはこちら】
黒川真洋

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