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チェロ・黒川真洋さん(2023年10月~12月)

チェロ・黒川真洋さん(2023年10月~12月)

チェロ・黒川真洋さん(使用楽器Cat.no.33 ロレンツォ・マルキ 1983年製)の活動リポートです。


活動報告:

2023年は様々な環境での演奏が多かったですが、特に10ー11月はツアーなどで家にいる時間の方が少なかったです。ホールや教会が多いためツアーが多いドイツのシンフォニーオケ、という印象はありましたがこの秋の多忙期はどのオケもツアーだらけでした。ドイツに来てからオーケストラの稼働率に驚きを受けました。


(左:ハンブルク Elbphilharmonie、 右:ベルリン Berlin Philharmomie)

また私はカールスルーエの大学でのオペラのプロジェクトにも参加していたので、オーケストラの仕事がオフの日にカールスルーエでオペラのリハーサルにも参加していました。
R.Straussは大好きですがオペラはまだ弾いたことがなく切望していたところ、参加が決定し、はじめて彼のオペラの作品、それがナクソス島のアリアドネでした。
SoloとVorspielerはそれぞれに譜面が振り当てられていたり、そもそも小さい編成でオーケストラが書かれているため非常に室内楽的で面白い作品です。
少ないリハーサルでやり切れるか不安でしたがたくさんスコアと向き合い、学生のうちに勉強できて本当に幸せでした。大好きな友人達ともなかなか会えていなかったのですが久しぶりに学校のみんなと色んな話ができたことも、一人で小さな街で生活していた私には凄く幸せな思い出にもなりました。

11月もツアーをこなし、オーケストラの契約の最後の公演まで走り切り、12月はいよいよ、新しいベルリン国立歌劇場でのアカデミー生活が始まりました。とにかくベルリンは大きいのと、道も広くてお店も多くて、とにかく、大都市です。電車にいてもドイツ語より英語や他の言語の方が多く耳にすることが多いので、カールスルーエはやはり小さい街だったなあと思います。私はカールスルーエが大好きですが、ベルリンでは今の私に必要な刺激がたくさんあってとても充実しています。


歌劇場での最初の演目と仕事は、大好きなR.StraussのRosenkavalierの舞台音楽(バンダ)でした。客席から見えない舞台の裏で、三幕の始めで少しだけ演奏するのですが、三幕が始まる度にオケの音圧に感動でした。最初の現場で会ったチェロの同僚も私の教授の弟子で、最初から意気投合できたのが嬉しかったです。そして歌劇場にきて最初に驚いたのは働いている人数の多さと本当に少ないリハーサルの回数です。オケ、歌い手、セット、全てが素晴らしいこの歌劇場で、短時間で素晴らしいクオリティが作り上げられていくのが信じられないです。

アカデミー生には一人一人に担当の先生(ソロチェロ)がつくのですが、素晴らしいソロチェロ奏者から今はまた新しく基礎を習いたいと感じ、彼にレッスンをお願いしてまた一からの毎日です。

Der Rosenkavalier, La Boheme, Beethoven Symphony No.9をこなした12月、全ての公演が素晴らしくて既に自分の音が少しずつですが変わっていることを実感しています。

 


【プロフィールはこちら】
黒川真洋

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