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チェロ・黒川真洋さん(2025年1月~3月)

チェロ・黒川真洋さん(2025年1月~3月)

チェロ・黒川真洋さん(使用楽器Cat.no.33 ロレンツォ・マルキ 1983年製)の活動リポートです。


活動報告:

新年が明けて、今年はジルベスターコンサートに乗っていなかったので次のプロジェクトに向けて練習を始めました。今の私が大好きで特別なオペラ、R.StraussのDer Rosenkavalierが一月にあってどうしても弾かせてもらいたくてお願いしました。この演目はうちの劇場ではよく弾かれる演目なので少ないリハーサルで本番をむかえなければならなく曲になれるために練習をすぐに始めました。このオペラの抜粋版のシンフォニーは2回ほどソロチェロとして演奏したことがありますがオペラでは初めてで、一年前に劇場で観た時にあまりの素晴らしさに圧巻でした。これが最高峰なんだ、と刺激を受け今回その中で弾かせてもらえることにとても恐縮でした。しかも、今回2プルトの裏に座らせてもらえることで非常に緊張感もありました。最後のTerzettで少しだけ一人で弾く部分もあり、とても忘れられない演目です。
 

それと同時に独日協会主催のベルリン(ドイツ)で活動している日本人音楽家による演奏会もありました。歌手と弦楽8重奏に指揮者と豪華な編成でした。日本作曲家の山田耕作の作品やメンデルスゾーンなど盛り沢山のプログラムでとても楽しい演奏会でした。また久しぶりに会う仲間や初めて会う方もいろんな人が揃った演奏会で新たな機会が嬉しかったです。

3月には劇場の中にあるApolloSaalで大きなアカデミーコンサートが開催されるため、そのリハーサルの時間を多く費やしました。Schubertの弦楽五重奏と弦楽四重奏NO.14の死と乙女という大作を短期間で集中的にまとめたのは至難でしたが今回弾いたメンバーととても密な時間を過ごしながら作品を仕上げていけたのはとても楽しかったです。みんな本当に素晴らしい奏者で自分が足を引っ張らないようにとついていくのにも必死でしたが、やり切った達成感は最高な気分でした。

同時期にシンフォニーコンサートに今回も乗ることができ、現在の監督のChristian ThielemannとBrucknerの6番を演奏しました。初めて彼との共演でしかも大好きな番号のブルックナー作品にとても興奮していました。かなり彼のワーグナーとブルックナーの解釈は好みだったので、そこに混ざれることが非常にいい経験でした。かなり彼のキャラクターも混ざったような音色を求めいていたように感じます。またオペラもシンフォニーも振れる指揮者は今はあまりいないため、こうやって彼がこの劇場の監督になったことはこの劇場にまた新たなキャラクターと実績を残していくように感じました。6番はブルックナーの作品の中でも独特で、あまり校正されていない彼らしさの一番ある作品と感じますがそれがいい味を出していて一番個人的には聞いていて面白さを感じます。ドイツに来てようやくブルックナーに触れられましたが、自分の好きなオーケストラで勉強ができたことが何より幸せに感じます。

 


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黒川真洋

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